書道を源とした新ジャンルアート|癒楽道(ゆらくどう) 癒楽道(ゆらくどう)のアート作品は、 パワースポット・アートです。

母の着物

私の断捨離ズム

 

しばしば少しずつ重ねている

断捨離……

(そもそものところの大体はこちらで書いています)

まだ終活には早いかもしれませんけど

もうねぇ……

ルーティンワークとして

運動をしっかりしていないと

年々加速度的に

体力は低下してくるんですよ。

「いつかやろうは、馬鹿野郎」です。

私自身が親の残した大量の物たちに

散々苦労しているので

子どもたちに負担をかけない意味でも

できることは早くやっておくことに

越したことはないと思っています。

 

そんな少しずつ行っている

断捨離の中でも

まだ手を付ける時ではない

と決めていたんですが

よくよく考えると

後回しにするメリットが

見つからなくなってきた

私にとって最もハードルが高いものがありました。

それは

「母の着物」・・・

 

 

母の着物

 

母は昭和初期の生まれの

ええとこのお嬢様だったので

上等のいいお着物を

たくさん持っています。

それが母の心の糧であり

誇りでもあったと思います。

母が認知症になって

大切な着物が詰まった和ダンスに

大切だと思う

食べ物や靴やいろんな物を

仕舞い込むようになって

駄目にしてしまった着物もありますが

母が亡くなるまでは

私が責任をもって、維持管理をしようと決めました。

なので、和ダンスは処分して

桐の衣装箱に詰め替えて

虫干しまでは

なかなか至りませんでしたが

定期的に

防虫剤を入れ替えたりしながら

管理してきました。

およそ畳2.5畳分のスペースを

占めていました。

 

 

遺産としての母の着物

 

母が亡くなったら……

母の身内に形見分けとして

譲るつもりにしていました。

私は

母に作ってもらった着物があるので

形見以外は売却して

母の供養代にでも

充てるつもりでした。

ですが

そりゃ当たり前の話なんですが

母の身内も徐々に亡くなって

譲る先は

母の妹と弟嫁さんだけになりました。

その母の妹や弟嫁さんも

高齢となってきました。

……母はもう

着物に袖を通すこともないでしょうし

母の妹や弟嫁さんも

その着物を着てもらうのが

難しい年代……

そう気が付いたものの

母が存命なのに処分することや

そんな話を叔母たちにすることに

なかなか

踏ん切りがつかずにいました。

でも・・・

断捨離を徐々に進めてきて

ただ置いているだけで

着ることもなければ、見ることもない着物たちが

占めているスペースが

大きいことに気づきましたし

やはり叔母たちが着ようと思えば

着てもらえるうちに……

という思いも強くなってきました。

が……なかなか。

それでも

叔母たちに話をしなくちゃ

それから

衣装箱を開けて着物を選んで送って

売却先を決めて

査定してもらって……

の作業が大変なことは

今までの経験上で容易に想像できて

自分も年を重ねるのだから

早く着手するに越したことがない

そういう結論に至りました。

 

衣装箱を引っ張り出して

叔母たちに譲る着物を選んで

残りの着物を売却するための業者を

ネットで検索し

口コミを読んで選び

ちょっとだけ勇気を振り絞って

電話して

自宅に買取査定に来てもらう

段取りをつけました。

 

 

着物の出張買取

・・・着物を査定してもらうにあたり

私の成人式や結婚の準備で

着物を購入した際に

母は自分の着物のたとう紙(着物を包む専用の紙)が

かなり劣化していたので

たとう紙を分けてもらって

新しいものに変えました。

その時に

着物のいわば品質保証書である証紙を

処分してしまったようでした。

なので

着物の目利きの効く人に

査定してもらいたい事と

査定価格に納得がいかない場合は

相見積を考えている

と業者には伝えていました。

 

ところが

訪れた査定員は

若いイケメン君でした。

なので正直なところ

大丈夫かぁ?

と不信感をもっていましたが

自分は呉服屋の息子で……と

目利きには自信がある旨を話され

実際に着物を見ている様子や

扱いも信頼できるように感じました。

 

私には母の着物には

価値がある自信があったのです。

母の母……つまり私の祖母の目利きで選んだ着物も多いので

間違いもないはずで

相当な価値を感じていたのです。

一枚一枚たとう紙を開いて

着物を見定めているのを

一緒に見ていると

「あ……これは母がよく着ていた」

「これは私も好きで何度か借りて着たことがある」

という懐かしさと

母や祖母がどんなにセンス豊かな人だったのかを改めて感じました。

 

しかし

保管状態や母の着物愛やセンスを

絶賛してくれる様子とは裏腹に

査定しているイケメン君の様子から

ほとんど価値がつかないことを察していきました。

どうせ値段が付かないのなら

その値段のつかないものから

叔母たちに譲るものを選べばいい

そう思って

叔母たち用に

取っておいた着物も出して

査定に加えてもらいました。

いよいよ査定額を

イケメン君が告げるんだろう

という時も

言いにくそうにしていることが

感じられたので

「値段が付かないものばかりだったのね」

と私が口火を切りました。

 

イケメン君は一つ一つ丁寧に説明をしてくれました。

 

長い間

私が守り続けてきた

畳2.5畳分のスペースを占拠してきた

母の財産は

たった3000円にも満たない額でした。

 

着物の行く末

 

イケメン君は片付けるのを手伝う

と言ってくれたのですが

整理しながら片付けるからと

断ったので

イケメン君が帰った後

買い取られた数枚と

温情で持ち帰ってもらえた数枚がなくなっただけで

部屋いっぱいに広がったままの着物の中で

しばらくぼんやりしていました。

 

片付けるか処分しなくちゃ

やっとそう思いましたが

 

待てよ……

 

これで片付けてしまったら

またしばらく

手付かずになってしまう!

この勢いでどうにかしなくちゃ!

・・・よし!

しばらくスマホを持ったまま

うろうろした後

意を決して

叔母たちに電話をすることにしました。

「突然、電話してごめんなさい。急な用じゃないんだけどね」

と切り出して

母はもう着れないし

失礼ながらも

叔母たちが元気なうちに

着てもらえるなら着てもらいたい

と思ったことなどを

正直に伝えました。

 

妹さんの方は

自分の着物も

譲り受けた物もたくさんあるし

実際、もう着物は全然着れていなくて

虫干しもできてなくて

気持ちはすごくうれしいけど

もう処分してくれたらいいよ

と言ってくれました。

弟嫁さんの方は

お茶の先生を

していらっしゃった方なので

最近は年に1,2回くらいしか

着ないけど

モノがいいならちょっと写真送ってよとのことで

その後、どうやら数枚送って欲しいと思われているようです。

 

 

実は買取査定の際に

小物や喪服は買い取れないとのことで

査定外だったものも多く

それも含めて

価値がないし

行き先もないものは

やっぱり処分……捨てるしかないか

と思いながら手に取ってみると

こんな粋な柄……

こんなに綺麗なのに……

そう……例えば

京都の町歩きで

こんなレトロモダンな着物なら

ウケると思うけど

これなんか

はぎれにして

おしゃれ小物にリメイクできそう

……などと

いろんな思いが出てきて

どうにもゴミ袋に詰めることができず

あーでもないこーでもない

と思いながら

再びいろんなワードで

検索を始めました。

 

自分がおしゃれ小物を作るとか

自分でいろんなお店に持ち込んだり

フリマサイトに出す

そんなパワーと時間は

私には捻出できません。

或いは

何かしらの団体に寄付するのも

労力と送料がしんどいと思いました。

 

ようやく

喪服も小物も査定してくれる

と書かれている業者を見つけ

宅配買取で申し込みました。

送ったものは

全て買い取るなり処分してもらえるようです。

 

断捨離の余韻

 

それぞれの行き先に

着物たちを旅立たせるまでの数日

保管しておくために

片づけ始めました。

叔母たちに思いを伝えられたこと

数日後には手を離れていくこと

永年の課題に決着をつけたことを

味わいながら……

 

そして

 

多くの着物の中から見つかった

査定価格が付いていた

白い着物と帯……

もしかしたら

母が着るはずだった花嫁衣裳かも……

売却せずに残しました。

・・・・・

母が父のもとに向かう旅立ちの日……

着せてあげようと思っています。

 

 

 

書道を源とした新ジャンルアート|癒楽道(ゆらくどう)

書道を源とした新ジャンルアート|癒楽道(ゆらくどう)

癒楽道(ゆらくどう)では、書道を源とした新ジャンルのアート
「癒楽道アート」として作品を作り、販売しています。
独自の作品による幅広い感情の表現だからこそ、作品によって、
見る人によって感じ方は異なります。あなたにしか感じられない
何かがあれば、それはきっとあなたに必要なアートになるはずです。
前を目指す方におすすめしたいアートです。

屋号 癒楽道(ゆらくどう)
住所 〒664-0028
兵庫県伊丹市西野
営業時間 10:00〜19:00
定休日:土・日・祝日
代表者名 癒楽道hiro
E-mail info@yurakudou16.com

コメントは受け付けていません。