少女の母に会いに
愛も罪も……
いろんな出来事や気持ちは
巡り巡って・・・・・
至ったところから
返ってくるとは限りません。
でも
巡り巡っている・・・・・
緊急事態宣言前
久しぶりに
サービス付き高齢者住宅に入居中の
母に会いに行って来ました。
また緊急事態宣言が
まもなく発出されそうなので
しばらく
会えなくなるかもしれないと考え
少し体調が良くなかったのですが
行ってきました。
母との時間
ヘルパーさんに連れられて
ちょうどお散歩から
戻ってきたところだった母は
一段と年老いて見え
スタッフさんから
「変わらずお元気ですよ」
と言われても
なんとなく空々しいものを感じました。
母は過去の世界で生きているので
母の実妹の名前で
私に声を掛けてきました。
スタッフさんから
「娘さんよ」
と言われて
照れ隠しのように笑っていました。
でも
多分、今日はずっと
私のことは
実妹だと思っていたと思います。
ですが
それが悲しいことだとは
私はちっとも思っていません。
いつものように
母が好んで食べそうな
お菓子を買って行ったので
母の居室の棚に並べていると
母は子どものように
うれしそうに眺めていました。
私が管理している
母の持ち物の中から
3枚のスカーフを
亡くなった叔母が作ったバッグに入れて
持って行っていたので
手渡しました。
「あら、このカバンは?」
それから
スカーフの中の1枚が
とても気に入ったようで
「この柄、いいわぁ!!!
こんなのなかなか無いわよ。
・・・・PARIって書いてるわ」
「あなたが買ってきたの?」
ざっくりこの流れを
ずっとただ繰り返す2時間でした。
やっぱり
母は綺麗な色の物が好きなことは
変わらないんだなぁ
と思いながら
私は2時間ずっと
飽きもせず
穏やかに
にこやかに
母の世界に合わせた
返答を繰り返しました。
緩やかで穏やかな時間でした。
たたんだり広げたりを繰り返している
スカーフを
私が帰った後に
タンスの奥に大事に大事に
捻じ込んでしまうだろうと
思えたので
ベッドヘッドの部分と
イスの背もたれに
カバーのように掛け
もう一枚は
ドアの取っ手に
可愛らしくリボン結びにしてあげると
また少女のように
はしゃいでいました。
帰り道
私が絶対に
選ぶはずのない仕事だった
介護の仕事を選び
生涯続けることなく
辞めることに至った意味が
腑に落ちた気がしました。
ただ情報を集め
勉強しただけでは
私には落とし込めなかったと
今なら思えます。
仕事として学んで、体感したからこそ
こんな心の持ち主の私が
なんの迷いもなく
現実を捉えられています。
マイナスで
ネガティブな感情じゃなく
母と向き合え
いいタイミングで
他者からのサービス提供に切替え
穏やかな時間を
互いに過ごしていられるのは
介護の仕事に
携わってきたおかげです。
今日、長い時間
嫌な感情を全く持つことなく
過ごせたこともそうだけど
チラチラと見える状態の変化を
冷静な目で見れていたり
ふとよぎった良からぬ予感にも
そう……
父が息を引き取った時
とっさに始めた心臓マッサージの
手を止めた時のように
起こる出来事を
静観して受け止める
そんな境地を感じたのでした。
本当に手をかけた世話を
他人様にして差し上げて
実の母には直接しないって
どうなのかって
思われるのかもしれないけれど
他人だからこそ
丁寧に細やかにできる
という視点もあります。
どんなに過酷なケアであっても
仕事で向き合っている分には
一定の時間が来れば
「お疲れ様です」
と言って
引き継いで離れることが
できるからです。
割り切ることができるのは
ケアが過酷であればあるほど
ものすごく重要で
割り切ることができるからこそ
また何度も
寄り添ったケアに向き合えるのです。
全ての介護スタッフがそうだとは
確かには言えませんが
実際に
そういう思いで
丁寧に心を砕いて接している
介護スタッフも
たくさんいらっしゃいますし
不詳、私もそんな一人でした。
世の中は
いろんな循環で
繋がっているはずです。
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屋号 | 癒楽道(ゆらくどう) |
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〒664-0028 兵庫県伊丹市西野 |
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代表者名 |
癒楽道hiro |
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